大島会 河野 秀夫
郷友連合会だより17号(2022年)より
伊豆大島が舞台の人情味溢れるドラマ(深夜テレビ東京)
昨年九月一五日から十一月三日まで大島が舞台のドラマが放映されました。深夜の時間帯なので観た人は少なかったかも知れませんが、コロナ禍で帰省できない私は大いにハマってしまい、Tverで全8話を完全視聴しました。
中学時代の恩師加藤先生(島高の応援トランペッターとして有名)がF Bで紹介してたので何気なく見たら、「今はこんな場所が映えるんだ」と良い意味で固定概念をひっくり返してくれました。
ざっとストーリーを紹介しますと、人を裁くことに疲れた元裁判官(主演の片桐はいり)が、波浮 港の居酒屋「風待屋」(小宮山商店の娘が経営という設定)を手伝いながら、東京の生活に疲れた観光客を、離島の自然とクサヤの匂いと味で癒していくというコミカルな人間模様ドラマです。
感動場面はいろいろありますが、何といっても舞台設定に「波浮港」を選 んでくれた心意気に感激しました。肴で提供されるクサヤをはじめ、明日葉炒め、トコブシの煮付け、セセーリ汁などの島料理にはお袋の味付けまで思い出してしまいました。ただクサヤに対する客の反応はよくあるワンパターンの設定で、最初はクサヤをバカにしているのかと思いましたが、臭いに敏感な今の時代ではこれもやむを得ないかと諦めて観ていました。でも毎回違う役者さんが口に入れた途端、こんなにも美味しいのかと満面の笑みで食べてくれるので溜飲が下がりました。帰ったら食べたくなる鵜飼のコロッケや、小宮山商店が随所に出てくるのも心憎い演出です。イチ押しは、何といっても監督の感性で捉えた大自然や風景を独特の目線で描写している点です。
昭和世代の観光名所といえば、三原山、波浮港、筆島、桜株でしょうか。平成世代は、噴火後の三原山、夕日が美しい浜の湯、動物と直に触れ合える大島公園、夏の海水浴、バームクーヘン模様の地層大切断面でしょうか。
今回のドラマでは、これらの伝統的な名所旧跡とともに、今まであまり知られていなかった絶景スポットにも脚光を浴びせてくれました。例えば、東京とは思えない異次元空間の裏砂漠、白波と黒 砂のコントラストが際立つ砂の浜、独特な景色のトウシキ遊泳場、富士山が間近に見える赤禿とサンセットパームライン、神秘的な泉津の切通しなど、TVを観ていた人はきっとここに行ってみたいと思ったはずです。
令和の時代は、地元では何気ない風景も、若者世代には魅力的な異体験ゾーンなのでしょう。このような場所も新たな観光スポットになって、さらに 飲食店や宿泊施設との相乗効果で、コロナ前のように観光客で賑わう東京諸島であってほしいと切に思います。
新年にあたり、大田区の地から我が心の故郷『大島』に、感謝と希望を込めてエールを贈らせていただきます。

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