(上・下、安部龍太郎著) 幻冬舎文庫 幻冬台文庫
大島郷友会会長 秋廣道郎
郷友連合会だより17号(2022年)より

令和3年8月5日、安部龍太郎氏は、黄金海流の復活改訂版を出版されました。1991年11月に刊行されたものを加筆修正され、更に充実されたものとなっており、この黄金海流は、歴史小説の原点との評価がされております。
私は、著者安部龍太郎氏から直々の献呈いただき、一気に読ませていただきました。
この小説は、波浮の港開港をめぐる幕府内の暗闘を描いた小説です。 私の先祖秋廣平六が主人公として登場しますが、勘定奉行であった石川将監忠房候も登場され、それぞれの人物像も詳細に描かれ、面白く読めます。 又、鬼平と言われた長谷川平蔵と勘定奉行石川侯との深い友情も、フィクションとはいえ、真実味があります。
今回の黄金海流を読んで、おぼろげだった「黄金海流」という意味が理解できました。蝦夷地の開拓と大島と三宅島の間にある大室出し漁業振興を結びつけることが、「黄金海流」であり、当時の石川将監忠房候や平六らの時代の流れを見据えた革新的な動きの中に、波浮の港開港の歴史的な意味が理解できました。又、幕府を巡る暗闘は、その背景に、重商主義と農本主義のイデオロギー対立があったことが分かり、 大変、歴史の勉強にもなります。
最期残った波浮の大岩を火薬で爆破する新解釈の場面がありますが、フィクションとは思いますが、波浮港が開港された1800年には、未だダイナマイトは発明されていませんでしたが、火薬は既に銃や大砲で使用されていたのですから、あり得ない話ではないなと思いました。
是非、一読されることをお勧めします。
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