郷友連合会理事長 梅田 勉
新島出身の作家が果敢に 挑んだ歴史小説を紹介

江戸幕府は二〇〇年以上に渡り、伊豆の島々へ流人を送り続けた。流人を受け入れた各島の人々 は、見ず知らずの犯罪者との共生を図りながら戸惑い続けた。
秋には台風が来襲し集落へ大きな被害を与える。冬は西ン風のテッパツ(強風)が吹き付ける孤島であるが、厳しい自然環境を克服しながら、海があったおかげで島の先人たちは生き続けてきた。
生活は厳しくとも比較的自由な島社会の中で、流人たちの多くも島の人々と共に二〇〇余年に渡って「流刑の島」で生き抜いたのである。江戸時代に伊豆新島へ流された人々の数は、寛文八年(一六六八年) 流刑制度が敷かれて以来一三○○人以上に及んだ。
白い砂で覆われ生花が絶えない共同墓地の一角に流人墓地があり、流人たちの面影が偲ばれる。島流しは死刑と同等の重い罪と言われたが、孤島でいかに生き続けたのか、流人から直接受けた江戸の情報や文化を享受できた島人たちも大きな影響を受けたに違いない。この本は流人と島人との関係に光を当てながら数奇な運命を描いた歴史小説である。想像を自由に織り交ぜながら、「島流し」の歴史に果敢に挑んだ読み応えのある小説です。
著者:北村武(新島村若郷生まれ)
青山学院大学文学部卒 新島村役場勤務(平成二十四年定年退職)
初版:二〇一六年四月二十三日
発行:関東図書株式会社
定価:税込み、一、〇八〇円
ネット販売:楽天ブックス送料無料
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